算多きは勝ち、算少なきは敗る。(孫子の兵法)

「それ未だ戦わざるに廟算(びょうさん)して勝つ者は、算を得ること多ければなり。

未だ戦わざるを廟算して勝たざる者は、算を得ること少なければなり。算多きは勝ち、算少なきは敗る。

いわんや算なきにおいてをや。われここをもってこれを観るに、勝算あらわる。」

これは孫子の兵法の第一章「計篇」の四項に書いてある言葉である。

意訳をすると、シンプルに勝算が多き者は勝ち、勝算が少なき者は負けるということ。ましてや一つも勝算がないのは論外である。

当たり前といえば当たり前の話だが、こと起業や新規事業などの場合、おろそかになりがちだ。投資でも。

 

例えば、私は経営顧問として、経営コンサルティングをしているが、新規事業の相談はよくある。その際、「集客方法はいくつありますか?」と聞くのだが、思いの外、返ってこない場合が多い。

中には「口コミや紹介です」と答える人もいるが、それは集客の「算なき」に等しい。口コミや紹介は狙って出せるものではない。なぜなら、「相手ありき」だからだ。口コミしてもらえるかどうかは相手次第なのだ。

戦争でいえば一か八かの博打に近い。

そうではなく、メルマガをやる、検索エンジン対策をやる、SNSをやる、FAXDMをやる、ダイレクトメールを発送するなどと言えたら、それは具体的な「算」になる。

もちろん、算の中にも「戦略寄り」の算もあれば、「戦術寄り」の算もある。どちらも少ないよりは多い方がいい。

あなたは「勝算」がいくつあるだろうか?一個もない場合は論外として、起業や新規事業立ち上げの際は複数あることが望ましい。

執筆者

東洋思想を学ぶ経営塾「創伝塾」主宰。東洋思想コンサルタント™。公益社団法人日本心理学会「認定心理士」。㈱創伝社、代表取締役。1978年生まれ。愛知県名古屋市出身。

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