得意なことを伸ばす。『闘戦経(第四章)』

こんにちは。作野です。

金は金たるを知る。土は土たるを知る。即ち金は金たるを為す。土は土なることを為す。ここに天地の道は純一を宝と為すことを知る。

(『闘戦経(第四章)』より引用)

これは日本最古の兵法書『闘戦経』第四章に書かれている言葉である。

意訳すると、金には金のやるべきことがあるし、土には土のやるべきことがあるということ。

例えば、金には輝きがある。固さもあり壊れにくい。だから、財と為すことができる。

土には輝きはない。バラバラになりやすい。が、農作物を育てたり、植物を育てることができる。

逆は不可。

金で植物は育てられないし、土は財の変わりにはならない。

つまり、それぞれに「得意不得意」や「特徴」があるので、それらを理解し、活かしましょうよということ。

これは、経営や投資でも同じである。

例えば、営業マンに当てはめてみよう。

話すのが好きな人もいれば、話すことが得意でない人もいる。

その場合、「話すのが苦手」だからといって、無理やり、話す能力を高めようとしてはいけない。

ではどうすればいいか?

「聞き役」の能力を磨けばいいのである。

お客さんの中には、話しこまれるより「話したい」という人もいる。そういう人の話をしっかり聞くことに専念する。結果として、信頼され、契約や購買に結びつきやすくなる。

また、話すことは苦手でも、「文章を書くこと」が得意な場合もある。その場合は、文章力を伸ばせばいい。

そうすれば、メールやブログ、ハガキなど、文章でお客さんの心を掴みやすくなるだろう。

逆に、話すことが得意な人は、文章など文字でのコミュニケーションが得意でない場合が多い。その場合、無理やり文章力を伸ばそうとするのではなく、直接お客さんに会うことはもちろんのこと、「電話」や「オンラインミーティング」などを活用すればいい。

どちらが良い悪いではない。どちらもアリである。

大事なことは、人それぞれ、得意なことは何かを見極め、得意なことを伸ばしていくこと。己自身もそうだし、経営者として他人を使う場合も同様である。金に対して「土になれ」と言ったり、土に対して「金になれ」と言わないこと。そうすれば、より良い成果は得やすくなるだろう。