心の支柱になるものを一つ持つ。

「一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うることなかれ。ただ一燈を頼め。」

これは佐藤一斎『言志四録』の言志晩録第十三条にある言葉である。

現代語訳にすると以下の通り。

「一つの提灯を持って暗い夜道を行けば憂うことはない。ただその一つの提灯を頼りにせよ。」ということ。

暗い夜道を歩く場合、何も灯がなければ心細い。が、一つでも灯を持っていれば、頼ることができまる。

これは商売でも同様で、ただ闇雲に商売をやっていても儲かりはしない。

心の支えとなる「商売心得」のようなものがあれば、それを灯として進むことができる。

例えば、松下幸之助は座右の書として石田梅岩『都鄙問答』を一燈としていたことで有名である(※諸説あり)。また、ソフトバンクの孫正義社長は起業時に「孫子の兵法」と「ランチェスター戦略」を心の支柱にしていた。

ニトリの似鳥昭雄前社長(現会長)も創業時に商売が上手くいかず自殺を考えていた時、経営コンサルタントの一倉定氏と出会い、その教えを「一燈」とした。結果として、ニトリの飛躍が始まったのである。

このように、商売繁盛させたいのであれば、心の「一燈」を持つことが重要。一燈がある者は強い。どのようなことがあっても心の支柱があれば安心するものである。

あなたには心の支柱となる「一燈」が何かあるだろうか。