こんにちは。創伝塾運営の木村です。
先日、6月の勉強会が開催されました。
テーマは、戦略書の原点といっても過言ではない孫子の兵法です。
その解説本の中でも赤本として名高い、守屋 淳氏の『最高の戦略教科書 孫子』を課題図書に参加者でディスカッションが行われました。
本書の数ある教えの中で私が最も深く考えさせられたのが、「勝負師のバランス」という章です。(P198,199)
私たちは「自分は慎重な性格だ」「自分は情に厚い」など、自らを固定的なものとして捉えがちですが、実際にはその日の体調や状況によって、極端に攻撃的になったり、逆に臆病になったりすることもあります。
極端な話、朝と夜で性質が変わることもあるのではないでしょうか。
これは、経営や投資における意思決定の危うさを、改めて認識させられる指摘でした。
例えば、普段は冷静な経営者が、疲労が溜まっている時にカッとなって部下を叱責してしまったり、市場の熱狂に煽られて、自身の慎重な投資ルールを破ってしまったりする。これはまさに、その瞬間の自分の心の「バランス」を見失った結果です。
一方で、『孫子』では、優れた将帥は心の状態すらも戦場の一部と捉え、常に客観視し、偏りを修正しようと努めます。
今回の勉強会は、外部環境の分析だけでなく、リーダー自身の「心のバランス」をいかに保つかという、内なる自己管理の重要性を再確認する、非常に有意義な時間となりました。
以下は参加者の感想の一部です。