『毎朝毎夕、改めては死に改めては死に、常住死身になりて居る時は、武道に自由を得、一生越度(おちど)なく、家職を仕果たすべきなり。』
これは『葉隠』に書かれた言葉である。
意訳すると、以下の通り。
「毎朝毎夕に「死」を考えると、一瞬一瞬が本気で生きられ、何事も本気で打ち込めるようになる。
そして、「自由」な気持ちになり、仕事本分でも成果が出るようになる。」
ということ。
これは経営でも同じ。
毎朝毎夕に「自らの死に際」を思い浮かべる。
明日があるとは限らない。
そう思うからこそ、「今」に本気になれる。
例えば、「今」目の前にいるお客さんとのやり取りは、もしかしたらこれが最期かもしれない。
そう思うと、「本気度」が変わり、やり取りの質が大きく変わってくるだろう。
そして、「いつ死んでも構わない」という境地になると、経営の意思決定も「自由」になる。
逆を言えば「死を恐れる」からこそ、経営判断を誤るということでもある。
「死」を意識し、「今」に本気であたってみよう。