こんにちは。
創伝塾運営の木村です。
先日、創伝塾4月の勉強会が開催されました。
1月〜3月から「老子」をテーマにしてきました。
4月は、「老子」と同じ道家の思想家、「荘子」について学びます。
課題図書はこちら、『マンガ 老荘の思想 (講談社+α文庫)蔡 志忠, 和田 武司, 野末 陳平』です。
荘司も老子と同じように自由に、あるがままに生きるための思想を伝えてくれていますが、その多くを自然や動物、過去の為政者などを登場させた例え話で残しています。
課題図書の『マンガ 老荘の思想』では、荘司が書物の中に残した多くの例え話を、1〜2ページの短編漫画にまとめてくれているので、初心者でも非常に読み進めやすかったです。
今回も、勉強会の参加メンバーそれぞれ異なる視点から多くの意見が出せれました。
個人的に印象に残っているのは作野塾長が最後にピックアップされた『龍玉を砕く』という話です。
遊説が成功して宋王から褒美をもらえたことを自慢する人物を、諌めるために荘子が下記のような話をしました。
〜龍玉を砕く〜
とある青年が、湖の底に住む龍が守る、秘宝「龍玉」を運良く手に入れました。
龍が寝ているところに出くわし、起こさずそーっと龍玉を奪い取ることに成功したのです。
青年は、すぐに父親に龍玉を手に入れたことを、意気揚々と報告しに村に戻ります。
しかし、龍玉を見た青年の父親は、激怒し龍玉を砕いてしまいます。
「今回、龍玉は運良く手に入ったにすぎず、龍にいつ殺されていてもおかしくなかった。」
「死んだら元も子もないだろ!」
そう言って、父親は息子を戒めました・・・・
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ざっくりと上記のようなお話です。
捉え方も人によって差はあるでしょうが、私は「たまたま得た成功を自分の実力と勘違いするな!」と言われているように感じました。
これは、自分の人生を振り返ってみても耳の痛いエピソードの一つです。
例えば、
・麻雀やポーカーなどのゲームでビギナーズラックで経験者に勝ってしまった
・あまり深く考えずに買った株や外貨でたまたま利益が出た
・時流にたまたま乗れ商品がヒットした
などなど、客観的にみると実力ではなくただの運で成功したことを自分の実力と捉えてしまってうことが多々ありました。
もちろん、自分に自信をもつことが悪いことだとは思いません。
ただ、過ぎた自信は、驕りとなり油断や怠惰につながることも大いにあります。
自分の実力を客観的に振り替えながら、自分の実力を認めることと、謙虚に向上心を持つことのバランスを取っていくことの重要性を学びました。
以下は参加者の方の感想です。
5月は、『猫の妙技』を課題図書に「禅」の思想について学びます。
来月もよろしくお願い致します。