こんにちは。
創伝塾運営の木村です。
先日、創伝塾2月の勉強会が開催されました。
今月も1月に引き続き「老子」についての学びを深めていくのがテーマです。
課題図書はこちら、『バカボンのパパと読む「老子」』(角川新書、ドリアン助川/著)です。
難解な「老子」をできるだけ易しく読み進めていくために、作野塾長が選出された課題図書です。
私もこの本のタイトルを見た時に、これなら読みやすそう!とワクワクしながら注文をしました。
本の構成としては、各章に「老子」の原文があり、その原文を作者の現代語訳と、バカボンのパパ風現代語訳の2つの訳を読みながら内容を理解していくというものです。
たしかにバカボンのパパの口調はとても平易な言葉で書いてくれているので、読みやすくはあります。
しかし、いくらバカボンのパパが訳してくれてもそこは老子。
内容自体は、非常に抽象的で思考力が必要な本でした。
勉強会で個人的に印象に残ったのは、「欲」についての参加者の意見です。
この本の中で、老子の言葉を現代語訳した下記のような一節があります。
欲を持たずに静かならば、この世は自ずから調和するであろう。(P93より引用)
参加者の方が、疑問に思われたのは、「つまり欲は無いほうがいいのか?」ということです。
我々も普段、様々な欲と付き合いながら生活しています。
お金がほしい、時間がほしい、モテたい、美味しいものが食べたい、もっと人から敬われたいなどなど、、、
この欲が無いほうがいいのか?いや、欲があるからこそ生まれるエネルギーもあるはずなのに欲を無くしてしまって大丈夫なのか?という点が参加者の方が疑問に思われたポイントです。
これに対しても、作野塾長は「中庸」な考え方を大事にされています。
例えば、「老子」と並ぶ東洋思想の文献である「論語」の場合は、聖人君子になることや、人から尊敬されるような人物を目指すことの重要性が説かれています。
立派な人になって尊敬されたい!というのも一種の”欲”と言えるでしょう。
「老子」が言っていることが正しいのか?「論語」が言っていることが正しいのか?もちろん明確な答えがあるわけではありません。
その方の状況や、時期によって必要な内容は変わってきます。
自分を振り返っても、起業初期の頃なんかは「欲」があったからこそ、毎日必死に売れる商品のアイディアを考えたり、マーケティングの勉強をしていたように思います。
しかし、いきすぎた欲が身を滅ぼすこともあるでしょう。
そんなときは「老子」の考え方を思い出し、自分の「欲」をいさめることも必要です。
このように「老子」には”自分を謙虚に振り返る機会をくれる”という大きな価値があります。
「老子」についてはまだまだ勉強中ではありますが、そのことに気づけただけでも大いに意味のある勉強会でした。
以下は参加者の方々の感想です。
来月も引き続き、同じ課題図書の後半で、老子の学びを深めていきます。
3月もよろしくお願いします。