創伝塾 塾生の大﨑です。
勉強会を開催し、ファシリテーターを務めました。
課題図書は『陰翳礼讃(谷崎潤一郎)』でした。
この著書を読んだのは3回目でした。1回目は文学を愛するものとして、まるでスタンプを押すよう谷崎潤一郎の代表作として、とりあえずチェックしておこうと読んだ10代。
正直、面白い文化評論本だなくらいの記憶しかありませんでした。
そして、2回目は約10年の月日が経った20代後半です。
すでに起業していたなかで、ある日ラジオを流していた際に脳科学者の茂木 健一郎が『アメリカに行って、年収数千万円のゴールドマンサックス(会社名は違っていたかもしれません)の金融マンの本棚には陰翳礼讃がさりげなく並べられていることがある。』というような話を聞いた後にまた著書を読み進めたのです。
そのラジオ内での文脈からも「一見、仕事に関係ないように思えるが、本書の影響が実は資本主義下で圧倒的な成果を出すことに必要なのだ」というメッセージを茂木氏が訴えていたことを痛烈に覚えていて、その視点で本書と向き合いました。
当時の私は美意識を持つことの重要さのようなことを感じたように記憶しています。
そして3回目が今回の勉強会です。
さらにビジネスに活かすにはどうしたらいいかということを強く意識して、本書を読み込みました。
気付いたことは多くあったのですが、私の中から一つあげるとすると、「違いに気付き、それを感じることができること」の重要性で、そのことが事業を、そして人生を豊かにする大きな要素なのではないかということです。
事業においても、小さな差異が、結果を大きく分けることは往々にしてあります。
その違いに目を向けられる人とそうでない人では、どちらが事業を成功させる確率が高いかは言うまでもないでしょう。
当たり前のことですが、そんなことを改めて意識させてくれる良書であり、いい経験でした。
また今まで何度も本会に参加させてもらっていますが、初めてのファシリテーターの立場で、前方から俯瞰的に参加者をながめ、そのコミュニケーションをまとめた経験によって気付きも得られて、振り返って自分のことを客観的に見つめる良い機会となりました。
このような機会を設けてくださったことに感謝します。ありがとうございました。