「利益は売る時ではなく、買う時に生まれる」。
言い換えれば、投資対象の価値が上がるのを決してあてにしなかったということだ。
金持ち父さんにとっては、価値の上昇は言わばおまけのようなものだった。
金持ち父さんは、投資対象からすぐに利益が生まれること、つまりキャッシュフローをあてに投資をした。
(『金持ち父さんの若くして豊かに引退する方法(ロバートキヨサキ著、筑摩書房)』より引用)
私はこの箇所が大好きで、いつも肝に銘じている。
例えば、あなたが金持ちになるために不動産投資をするとしよう。
その場合、「土地」を買って、将来値上がりすることを願うかもしれない。
が、金持ち父さんからすればそれはNGだ。
なぜ?
というと、買った瞬間に利益が生まれるわけではないから。
そうではなく、アパートやマンションを買って、すぐに人に貸し、家賃収入を得る。あるいは、すでに入居者がいるアパートやマンションを買う。
そうすれば、買った瞬間にキャッシュフローが生まれる。あなたのポケットにお金を入れてくれる。
こういう投資をしましょうということ。
株式投資でも同じ考え方が当てはまる。
例えば、株を買って、将来「値上がり」することを願う。
これも金持ち父さんから言わせればNGである。
そうではなく、毎年安定した配当をすでに出している企業の株を買うとする。
そうすれば、すぐに配当という形のキャッシュフローを手にすることができる。
金持ち父さんはこういう投資をしなさいと説く。
私も常々、このように「買った瞬間に利益が生まれる投資」を心掛けている。
そういえば昔、アゼルバイジャンの首都バクーに経済視察で行ったことがある。2014年のことだった。
アゼルバイジャンとは、中東あたりの国で、「第二のドバイになるかも」と大変活気に満ち溢れていた。
ドバイの世界一高いビル「ブルジュ・ハリファ(828m)」より高いビルを建て、将来目玉になる都市にする!という計画を聞かされた。
そして、そこでは周辺マンションの区分などを投資家向けに販売していた。
売り手のうたい文句は「●年後に●倍になるから」というものであった。
何人かの方は興味を示し、話を聞いていた。
しかし、私は堂々と見送った。
なぜ?
そう。
買った瞬間に利益を生む投資ではないから。
その後、どうなっただろうか?
おそらく・・・
米中貿易戦争があったり、コロナ問題があるなど、まだその都市計画は進んでいないと思われる。
(ネットで調べたところ、アゼルバイジャンタワーは2018~19年完成予定だったが、コロナの影響?で2022年完成予定にずれた。さらにもっとずれて2025年完成とのこと・・・。さらにずれそうな予感。)
将来のことはわからない。
だからこそ、「買った瞬間」にキャッシュフローをいただくことを考えて投資しなければならないのである。
ただし、注意しなければならないことは、値上がり益やキャピタルゲインを捨てろというわけではないこと。
ここをよく誤解する人が多い。
金持ち父さんはキャッシュフローを大事にした。だから、キャピタルゲインや値上がりは捨てたと。
いやいや、そういうわけではない。
あくまでも「おまけ」としてもらえればいい、と。決して捨てたわけではない。
ここは誤解なきよう。