「Iクワドラントこそ金持ちの活動の場だ。
いまどのクワドラントから収入を得ていようと、いつか金持ちになりたいと考えている人はだれでも、最終的にはこのクワドラントに来なければならない。
なぜならお金が富へと変化するのはこのIクワドラントにほかならないからだ。」
(『金持ち父さんのキャッシュフロークワドラント(ロバートキヨサキ著、筑摩書房)』より引用)
これは金持ち父さん貧乏父さん著者ロバートキヨサキの2冊目の名著に書かれている文。大変含蓄のある言葉である。
ロバートキヨサキは、この資本主義社会において、4つのタイプの人間がいると説く。
1,Eクワドラント
2,Sクワドラント
3,Bクワドラント
4,Iクワドラント
誤解を恐れず、簡単に説明するなら、Eは「従業員」、Sは「自営業者」、Bは「ビジネスオーナー」、Iは「投資家」。
さらに、EとSは「左側」、BとIは「右側」と2パターンに分ける。
で、お金持ちになりたければ、左側のESではなく、右側のBIに行かなければならないと説いている。
そして、より一層、突っ込んでいくと、最終的には「Iクワドラント(投資家)」になることを推奨している。
これは言い方を変えると、「右側(B)に行っただけでは安心してはいけない。Bの先のIが『約束の地』であり、そこを目指すべき」ということだ。
確かに、一般的には左側から右側に行くだけでも大変なパラダイムシフトである。
自分が働くのではなく「システム」に働いてもらって、お金を得るには大変な思考抽象度アップをはからねばならない。
ビジネスの肝は何か?というと「人」である。人こそ財産だ。
「人間」というのは無限の可能性を秘めているとも言える。
育て方、接し方次第で、いかようにでも成長する。
これがビジネスの醍醐味であり、肝である。
人を活かすことができれば、「無」から「無限大」の富を生み出すことも可能だ。
ところが、これは欠点でもある。
「人間」というのは良くも悪くも「変化」するからだ。
良い方にも悪い方にも変わる。
ビジネスを「安定」化させることは、とかく難しいことである。不易流行。栄枯盛衰。時は移り変わるもの。
それは、昨今、名経営者といえでも、会社を傾かせたり、倒産させたりすることからも理解できよう。
では、この資本主義社会において、安定的に富を築く、あるいは、保存することは可能なのだろうか?
答えは「Iクワドラント」にある。
IはBと違って「人」を動かして富を得るのではない。
「お金」を使って「富」を得るのである。
人の心よりも安定化させやすいのが「お金」である。そのお金を活用することは読みやすい。扱いやすい。
例えば、株を買う時に「今日は働きたくない」とお金が反抗することはない。財布の中にお金を入れといて、お金が独りでに抜け出すこともない。ストライキも起こさない。お金同士が喧嘩したり、派閥を作ったりすることもない。
この資本主義社会において、お金というのはとても扱いやすいツールなのである。
そのお金を活用して、富を稼ぐ、あるいは保存するのがIクワドラントのエリア。
「そこ(I)=約束の地に行かないと、永遠に安心できないよ」と戒めてくれるのが、このロバートキヨサキの言葉である。
ちなみに、ビルゲイツやイーロンマスク、ジェフベゾスもビジネスを立ち上げただけでなく、「Iクワドラント」に行ったかこそ、あれほどの莫大の資産を築けたのである。
資本主義社会においての約束の地とは「Iクワドラント」に他ならない。